← 計算ページの入口へ
第6回
生活防衛資金・特別費
ときどき来る大きな出費は、急な出費ではありません。来ることが分かっていた出費です。月割りにして、正体を「月いくらの固定費」に変えます。
対応する動画
第6回「ときどき来る大きな出費に、備える——特別費と生活防衛資金」
▶ この回を見る
特別費を月割りにする
出費の名前・来る周期・だいたいの額と、いつからいつまで必要かを書き出します。3つの区分は、第6回の「3つの袋」です。
歳
3つの袋とは——特別費を、性格で3つに分けます。
1 必ず来る(車検・住まいの修繕など)=毎月の積立で備えます。
2 見送りができる(旅行・趣味など)=積み立てますが、苦しい年には見送れます。
3 突発だが必要(冠婚葬祭・医療費など)=時期も額も読めないので、積立ではなく生活防衛資金の受け持ちにします。
ひとつ運用のコツを。「2 見送りができる」の割合が大きいほど、計画は苦しい年に強くなります。
1出費を書き出す
特別費とは、忘れた頃にやって来る、月いくらの固定費です。急に見えるのは、月割りにしていないからです。
計画に入れ忘れると、どうなるか
上で書き出した特別費を、来る年に実額で取り崩しに上乗せして1万通りで数えます。さらに「2 見送りができる」袋の分を、前の年の相場がマイナスだった年は見送るルールも試します。
結果
年72万円の取り崩しだけなら成功確率85.6%。ですが現実には特別費が年24万円出ていくとして数えると、63.0%まで落ちました。
その24万円を「見送れる袋」に入れて、前の年の相場がマイナスなら見送るルールを足すと、73.5%まで戻ります(見送りは30年でおよそ10回)。
計算方法は第3回と同じ1万通り(想定利回り 年5%・ばらつき 年15%・30年・シード固定)です。見送りルールは「前の年の運用がマイナスだった年は、特別費の分を出さない」という単純な形にしています。
特別費を計上する期間について——月割りにした額を、30年間ずっと毎年出ていくものとして計算しています。実際には車検が2年に1回、修繕が15年に1回のように周期はバラバラですが、月割りにして「毎年これだけ」という固定費に置き換えるのが第6回の考え方だからです。ただしこのやり方では、大きな出費が特定の年に重なったときの影響までは表せません。その年だけ資産が大きく減る動きは、この計算には含まれていません。
生活防衛資金
3つ目の袋です。月の生活費の何か月分を、現金で別に持っておくかを決めます。
リタイア後の生活防衛資金は、収入の穴埋めではなく、突発の必要な出費への即応が役割です。適切な額はご家庭の状況により異なります。
何か月分にするか——現役世代の目安は生活費の3〜6か月分でした。
「次の収入までの橋」という発想です。
リタイア後は、基礎の生活費を公的年金という途絶えない収入が覆っているので、守るべき穴が小さくなります。
そのため3か月分を土台に、ご自身の事情で上乗せするのが目安です。
持病があるなら医療費を厚めに、住まいが古いなら修繕を厚めに。
解説
現役世代の生活防衛資金は「収入が途絶えたときの橋」でした。リタイア後は、基礎の生活費を公的年金という途絶えない収入が覆っているので、役割は「突発の必要な出費への即応」に変わります。冠婚葬祭、医療費、住まいの急な故障などです。
目安は月の生活費の3か月分を土台に、ご自身の事情で上乗せしてください。持病があるなら医療費を厚めに、住まいが古いなら修繕を厚めに。
なお、暴落のときに株を売らないための現金はこれとは別の道具です(第7回のバケツ配分)。