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第7回

バケツ配分

暴落の年に株を売らないための仕組みです。新しく現金を積む話ではなく、いまある資産の中に「使う時期」の仕切りを入れます。

2年分の備え資金を計算する

第7回の「今日の一歩」です。年間の取り崩し額 × 備える年数。それだけで額が決まります。

万円
万円/年
年分
備える年数とは——暴落のときに株を売らずにしのぐ年数です。米国の実務では1〜3年分がよく使われ、動画では真ん中の2年分を採用しています。長くするほど暴落に強くなりますが、その分を運用から外すことになります。
バケツは、新しく現金を積み増す話ではありません。いまある資産の中に、時間の仕切りを入れるだけです。第6回の袋が「使う目的」の仕切りなら、バケツは「使う時期」の仕切りです。袋と備え資金は別のお金で、あいだで行き来させません。

暴落が来たら、何年売らずに済むか

第7回でお見せした、2000年からの3年連続下落の型(−10%→−13%→−23%)で動かします。前の年がマイナスなら株を売らず、備え資金から出します。

毎年の点検はひとつだけです。前の年がプラスなら、いつもどおり証券口座から売却して生活口座へ(備え資金はそのまま)。マイナスなら、売却せず備え資金から。そして相場が戻った年に、備え資金を元の年数分へ補充します。ここで使う下落の型は動画と同じ例示であり、将来の相場を予測したものではありません。バケツの構成・年数は一例です。

1万通りで比べる

全額を株で持つやり方と、備え資金を分けるやり方を、同じ1万通りの相場で比べます。第7回でお見せした実測です。

この比較は取り崩し2年分を現金で分けた場合のものです。
「暴落準備金」は正式な用語ではありません。目的がひと目で分かるように付けた呼び名です。バケツの構成や年数は一例です。
解説 バケツ戦略には有名な批判があります。「資産全体の中身が同じなら、どこから取り崩しても結果はほとんど変わらない」というものです。
実測でもそのとおりでした。成功確率は全額株で85.6%、バケツありで85.1%。ほぼ同じで、現金は増えない分、ごくわずかに不利です。
つまりバケツは、リターンを生む道具ではありません。守っているのは資産ではなく行動です。暴落のさなかに株を売る決断を、30年でおよそ7回しなくて済む——その仕組みです。
計算方法は第3回と同じ1万通り(想定利回り 年5%・ばらつき 年15%・30年・シード固定)。備え資金は取り崩し2年分(144万円)を現金で分け、前の年がマイナスなら現金から出し、相場が上がった年に2年分へ補充します。「使い残し」は全経路の中央値(尽きた経路は0)です。
いま画面に出ている結果が、そのまま紙・PDFになります